社会問題や現実世界の闇といったテーマを扱う事が非常に多く、ダークな陰湿な雰囲気が漂う楽曲を得意としている。 DIR EN GREYと共にボーカルのカリスマ性で話題になったバンドである。 インディーズ時代はシンセギターも積極的に活用し独自の世界観を作り上げていた。 後期になるにつれロックテイストが強くなっていったバンドである。活動休止後、 アイジさん_(Gt)はL.M.C、潤さん(Gt)はAlvino、 残りのメンバーがAngeloへと活動の場を移した。
Vo:キリト
知識豊富なボーカリストであり、手掛ける歌詞は独特かつ哲学的で自己の考えを思想を表現している。
メジャーデビュー後のシングル曲においても一見ポップな歌詞と思わせて実は暗い側面を暗喩したりするなど工夫を凝らしている。
過激な歌詞表現と共にライブでのパフォーマンスの評判は高く、楽曲毎の独自の振り付けを行ないライブを聴者を扇動する。
Gt:アイジ
ミドル(中音域)豊かな音色を好む傾向があり、個性的な音使いのギタリストである。
パワーコードを効果的に使用したリフを数多く制作し人気が高い(青い空の下、Smily Skelton等)。
インディーズ期はバンドの方向性に合わせ奇抜でエフェクティブな飛び道具的音色も器用に使っていたが、
後期になるにつれハードロックアプローチを用いる事が増えていった。
まりたソロパートでは通常なロックギタリストが多用するペンタトニックスケールをあまり使用せず、
不協音も積極的に導入した独特の音階で演奏しているのが印象的である。
Gt:潤
初期にはギターシンセも使用しPIERROTらしいダークなサウンドにスパイスを利かせてくれたPIERROTのリズムギター担当。
特徴的なのは潤さんの奏する音域である。いわゆるコード弾きで音に厚みを加える手法はあまり使用せず、
アイジ(Gt)より少し上の音域でバッキング(省略コード)を奏する事が多い。
それにより左右の定位から異なる高さのバッキングが聴こえPIERROTらしい厚みのあるツインギターアンサンブルが生まれる。
自身の作る曲はメジャー調のものが多く、たまに暗い曲を描くとスタッフから驚かれたとの事。アルペジオ奏法の織り交ぜ方も見事である。
Ba:KOHTA
疾走系の曲ではシンプルなアプローチを心掛け、スローテンポの曲では味わい深いベースラインをかなでる傾向にある。
ギターの動きを良くとらえてベースを弾いており、ギターに動きが少ない時にベースにて味付けをしているといった具合である。
特に8ビートの躍動感のあるフレージングを好んで使用する事が多い。ちなみにキリト(Vo)の弟である。
Dr:TAKEO
ロックバンドでは珍しく電子ドラムも積極的に使用するドラマー、それがPIERROTの陰鬱な音楽性に一役買っていたのではと考えられる。
タムやハイハットを器用&丁寧に使用するドラマーでもありフィルやオカズでは、まるで旋律を奏でているかのような流れるドラムさばきを披露している。
1.自殺の理由(メロディアス:3、攻撃性:4、V系世界観:5)
ほぼ全てのライブで演奏されている定番曲で、幼児虐待をテーマにしている。インディーズ期らしい過激な内容となっており、その苦しみや辛さがリアルに伝わってくるかのような表現力は秀逸である。不気味なイントロから始まりPIERROTらしい独特の世界観を築き上げている。3/4拍子と4/4拍子を交互に織り交ぜた楽曲構成が効果的で、メンバー各々の演奏個性もよくあらわれている名曲。
PV動画: http://www.youtube.com/watch?v=lHRq8ChTxYI
自殺の理由 http://www.youtube.com/watch?v=QAZnhb13qLs
収録アルバム:「パンドラの匣」 「DICTATORS CIRCUS-奇術的旋律-(インディーズ期の名曲を再録したアルバム」
2.Screen 1 トリカゴ(メロディアス:3、攻撃性:4、V系世界観:5)
インディーズ期唯一のシングル曲。疾走系の曲ではあるがPIERROTらしい不気味さが内包されている。歯切れの良いアイジさん(Gt)バッキング、不気味なギターシンセを奏でる潤さん(Gt)、アグレッシブで躍動感溢れるベースラインのKOHTAさん(Ba)、ドラマテッィクなドラミングのTAKEOさん(Dr)、そしそこにてPIERROTとして唯一無二の個性を添えるキリトさん。個人でなくPIERROT名義での作曲となっている事が関係しているのか、全体的なサウンドのバランスが良く、魅力的なバンドグルーヴを実現している。
PV動画: http://www.youtube.com/watch?v=5myUsIFPXEc
収録アルバム:「DICTATORS CIRCUS-奇術的旋律-(インディーズ期の名曲を再録したアルバム)」
3.脳内モルヒネ(メロディアス:3、攻撃性:3、V系世界観:5)
インディーズ期の人気曲で、ミドルテンポの間を最大限に活かしたPIERROTらしい不気味な音楽性の象徴ともいえる楽曲である。笛音の様な潤さん(Gt)のシンセギターが効果的に効いており、当曲の鍵を握っている。サビメロはひたすら重く暗い雰囲気から一転し明るいメジャー調に切り替わる、これは陽気な中の陰湿さを表現するために意図して行われたアプローチであると考えられる。Aメロで重々しく木霊するTAKEOさんのドラミングも印象的である。
PV動画: http://www.youtube.com/watch?v=DgchUWEl_fQ
収録アルバム:「CELLULOID、DICTATORS CIRCUS-奇術的旋律-(インディーズ期の名曲を再録したアルバム)」
4.Adolf(メロディアス:3、攻撃性:4、V系世界観:5)
ナチスドイツのアドルフ・ヒトラーをテーマにした作品。芸術家であった過去や彼の恋愛観、そしてイデオロギー(思想・観念)を巧みに表現した歌詞は見事である。潤さん(Gt)の味わい深いアルペジオから始まり、ドラムのビートがなんとも印象的な一曲。またBメロにおけるアイジさん(Gt)のカッティング奏法が非常にかっこいいので是非意識して聴いてみて頂きたい。
PV動画: http://www.youtube.com/watch?v=n8u0a265tt0
収録アルバム: http://www.youtube.com/watch?v=_uVrfoVZk_A
収録アルバム:「CELLULOID」 「DICTATORS CIRCUS-奇術的旋律-(インディーズ期の名曲を再録したアルバム)」
5.HUMANS GATE(メロディアス:5、攻撃性:3、V系世界観:3)
ライブのラストを飾る定番曲。当曲を最後に紹介させて頂いた理由は御視聴で理解して頂けるはずである。PIERROTは重々しいテーマの曲が多いが、その悩みや苦しみへの彼らなりの答えがこの曲にあたるため、PIERROTを語る上で非常に重要な位置にくる一曲。サビメロの歌詞「きっと誰もが同じだけの苦しみ背負いながらそれでも…」は珍しくストレートなメッセージであり、暗い楽曲を一通り聴いた後この曲を聴けばきっとPIERROTの真のメッセージが心に響くはず!
PV動画: http://www.youtube.com/watch?v=HS3u1hw4aAY
LIVE動画: http://www.youtube.com/watch?v=aj4fI_JvXQY
収録アルバム:「CELLULOID」 「DICTATORS CIRCUS-奇術的旋律-(インディーズ期の名曲を再録したアルバム)」